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【現時点での結論】 不明。 よくよく考えるとどちらもありそうなので原作で直接描写待ち状態。 【考察】 オッレルスの使う魔術「北欧王座」を幻想殺しで防げるかどうかについての議題。 防御可 ・北欧王座の効果が右手にも均等に加わるので打ち消せる 防御不可 ・同じく北欧王座の効果が右手以外にも均等に加わるのでダメージを食らう 防御可能の意見については、本文から 「ダメージが全身に均等にいきわたっている」「布を水で浸したよう」 に近い描写があり、右手も含む全身に北欧王座の効果が行き渡るので 必然的に右手で消すことになる。 これは、「幻想殺しは点攻撃よりも面攻撃の防御が得意」という 少々特殊な特性にも当てはまるかもしれない。
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とある幼馴染の幻想殺し 【本文】 序章 ①過去の出来事 ◆ ②激闘の終わり ◆ ③罪と不幸 ◆ ④再会 ◆ ⑤同棲開始 ◆ 第1章 ①虚空爆破事件 ◆ 【著者】 幻影(23-724)氏 【初出】 2013/04/10 初投稿 【最終スレ投下日】 2013/04/10
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クロス作品紹介 魔法少女リカルなのはA s 高町なのは(A s)、フェイト・T・ハラオウン(A s)、シグナム、ヴィータ、以上4名が該当。 原作シリーズの第2期。魔力を強めるカートリッジシステム、格闘戦に優れたベルカ式や騎士など、第1期に比べてバトルアクションとしてのジャンルが強まった。 八神はやて、ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラはなのは達と戦う側として登場した。 魔法少女リリカルなのはStrikerS 高町なのは(StS)、シャマル、ザフィーラ、スバル・ナカジマ、キャロ・ル・ルシエ、ルーテシア・アルピーノ、ヴィヴィオ、クアットロ、チンク、ディエチ、以上10名が該当。 原作シリーズの第3期。第2期の10年後を舞台として今までのキャラは大人になり、新キャラ達を教え導く立場になった。 魔法ではなく、科学技術の産物として「戦闘機人」という新しい能力者が登場した。戦闘機人とは、いわゆる戦闘用サイボーグと思えば良い。 魔法少女リリカルなのは 闇の王女 ゼスト・グランガイツ、以上1名が該当。 アニメ作品「機動戦艦ナデシコ」とのクロス作品。 掲載場所…検索ヒント「理想郷 SS ジャイアント昴」 ゲッターロボ昴 武蔵坊弁慶、以上1名が該当。 アニメ作品「新ゲッターロボ」とのクロス作品。 仮面ライダーリリカル龍騎 八神はやて(A s)、浅倉威、神崎優衣、以上3名が該当。 特撮番組「仮面ライダー龍騎」とのクロス作品。 NANOSING アーカード、アレクサンド・アンデルセン、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、シェルビー・M・ペンウッド、以上4名が該当。 漫画作品「HELLSING」とのクロス作品。 リリカル遊戯王GX ティアナ・ランスター、遊城十代、早乙女レイ、万丈目準、天上院明日香、以上5名が該当。 アニメ作品「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」とのクロス作品。 魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 八神はやて(StS)、以上1名が該当。 特撮作品「ゴジラFINAL WARS」とのクロス作品。 なのは×終わクロ 新庄・運切、ブレンヒルト・シルト、以上2名が該当。 小説作品「終わりのクロニクル」とのクロス作品。 小話メドレー エネル、以上1名が該当。 短編集形式のクロス作品で、特定のクロス元を持たない作品。 魔法妖怪リリカル殺生丸 ギンガ・ナカジマ、殺生丸、以上2名が該当。 漫画作品「犬夜叉」とのクロス作品。 掲載場所:検索ヒント「らいおんはーと 反目のスバル」 コードギアス 反目のスバル ルルーシュ・ランペルージ、C.C.、カレン・シュタットフェルト、シャーリー・フェネット、以上4名が該当。 アニメ作品「コードギアス 反逆のルルーシュ」とのクロス作品。 掲載場所:検索ヒント「らいおんはーと 反目のスバル」 リリカルなのはStrikerS片翼の天使 セフィロス、アンジール・ヒューレー、以上2名が該当。 ゲーム作品「ファイナルファンタジーⅦ」とのクロス作品。前日談に当たるゲーム「クライシス・コア ファイナルファンタジーⅦ」のキャラクターも登場 掲載場所:検索ヒント「らいおんはーと 反目のスバル」 デジモン・ザ・リリカルS&F エリオ・モンディアル、アグモン、ギルモン、以上3名が該当。 アニメ作品「デジモンフロンティア」「デジモンセイバーズ」とのクロス作品。 リリカルTRIGUNA s クロノ・ハラオウン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ミリオンズ・ナイブズ、以上3名が該当。 漫画作品「トライガン」とのクロス作品。 ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは ヒビノ・ミライ、以上1名が該当。 特撮作品「ウルトラマンメビウス」とのクロス作品。 L change the world after story ユーノ・スクライア、L、以上2名が該当。 映画「L change the world」とのクロス作品。 仮面ライダーカブト フェイト・T・ハラオウン(StS)、矢車想、以上2名が該当。 特撮作品「仮面ライダーカブト」とのクロス作品。クロス元と同名である為、注意。 魔法少女リリカルなのは マスカレード 天道総司、相川始、キング、金居、以上4名が該当。 特撮作品「仮面ライダーカブト」をはじめとする平成仮面ライダーシリーズとのクロス作品。 本ロワに登場しているキャラは全て改稿前からの参戦である為、改稿後のマスカレードとは設定の一部が食い違っている為、注意。 なの☆すた 泉こなた、柊かがみ、柊つかさ、以上3名が該当。 漫画作品「らき☆すた」とのクロス作品。 ARMSクロス『シルバー』 アレックス、キース・レッド、以上2名が該当。 漫画作品「ARMS」とのクロス作品。
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研究所崩壊当日の深夜、窓の無いビル。 学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーはある人物を待っていた。 今しがた球磨川禊の死体を回収した垣根帝督がビルの案内人とコンタクトをとったことを確認したので、もうまもなくこの場に現れるだろう。 そしてどこからともなく、室内へ現れた一つの影。その姿までは確認が出来ないが恐らく死体をかついでいる垣根が居る。 「無事回収できたようだな……」 労いの言葉などはない。「回収して当たり前だ」と言わんばかりの対応である。 しかし、垣根からの返答はない。 「どうした?未元物質よ。報告をしたまえ」 アレイスターの言葉でようやく歩を進め、その人物の姿を確認することが出来る。 確かに、垣根帝督はそこにいた。 ただし、後頭部に螺子を螺子込まれて垣根は既に死んでいて、死んだはずの球磨川に担がれていたのだが。 『どうも、統括理事長さん』 何食わぬ顔、文字通り何食わぬ顔で頭を下げ、挨拶をする球磨川は、頭をあげると同時に垣根の死体を無造作に放り投げた。 あの、アレイスターが無表情の中に困惑の色を見せている。 それほどまでに現在の状況は異常だった。 「はて……確か君は死んだはずではなかったのかな?」 『確かに死にましたよ。でも僕はこうして生きているから、そんな事はどうでもいいじゃないですか』 「いつ未元物質を?」 『垣根ちゃんが案内人さんと話をしている時に、後ろからちょと螺子を入れさせてもらいました』 「なるほど……」 いつかのような抑揚のない内容の無い会話が続く。 だが、アレイスターとしては計画を大きく遺脱した現状は好ましくない。 【大嘘憑き】という前代未聞の能力を持つ球磨川禊の回収。 有り体に言えば今回アレイスターが球磨川の転向を許可した理由はそのようなものだった。 大嘘憑きの試運転という名目を掲げていた球磨川の不意を打って殺害、回収。 それはそんなに難しい事ではなく、成功すればアレイスターの「計画」を大きく省略できるはずだったのだ。 しかし、現実は球磨川禊は生きている。 『さて、貴方の目的なんて分かり切っていますし、それを邪魔立てするつもりもありません』 自身の頬から肩へとかけて染みついた血液をハンカチで拭き落しながら球磨川は言う。 「何が目的だ?」 『最初にお話しした大嘘憑きの試運転、てのも目的の一つですよ。ただ本命は種を蒔くことでして』 種を蒔く。その言葉にアレイスターは即座に意味を理解した。 「幻想殺しの回収か」 アレイスターは幻想殺しこと上条当麻と球磨川禊の過去については把握している。 『回収なんて嫌な言い方をしますね。僕はただ友達に戻っていつか力を貸して欲しかっただけなんですよ』 「言っておくが幻想殺しは私の計画の中でも最重要でね。簡単に手放す訳にはいかないのだよ」 『ん。だから言っているじゃないですか。計画の邪魔をするつもりはないって』 いまいち要点を得ない語りをする球磨川だったが、アレイスターはそれだけで意図を掴んだようだ。 「なるほど。種を蒔くとはそういった意味か」 『ええ、だから貴方が進めている計画が完了する頃には、花が咲くはずですから』 それはきっと綺麗で、毒々しい花なのだろう。 この時点でアレイスターと球磨川禊の交渉は終了していた。 「もし断ると言ったら?」 だがアレイスターは少しばかり抵抗をして見せる。もちろん断るつもりは、ない。 球磨川もそこは重々承知の上で、こう言った。 『学園都市のレベル1からレベル5までの能力者を皆殺しにします。勿論そこには貴方も含まれていますよ』 にっこりとほほ笑む球磨川に、アレイスターも口元を少しつり上げる。 「それは困りものだ。よかろう、君の計画とやらにも乗らせてもらうよ」 アレイスターはその後に「ただし」と付け加える。 「未元物質だけは元に戻してやってくれ。大事な第二候補なのでね」 その言葉に深く頷くと、垣根に手を添え傷を戻す球磨川。 気を失っているのだろう、起きる気配はない。 『これで大丈夫ですか?それじゃあ僕は約束を守りに行かないといけないので失礼します』 アレイスターの返答も聞かず、すたすたと闇の中へ消えていく球磨川。 転送前にこんな言葉だけを残して去って言った。 『垣根ちゃんと麦野ちゃんにはお返しをするので、邪魔はしないでくださいね』 そして、球磨川が研究所で上条と再会した翌日の早朝。 二基の風車に螺子で張りつけにされている、瀕死の垣根帝督と麦野沈利の姿があった。 一年後・箱庭学園 『僕といれば君は世界一不幸になれる』 箱庭学園二年マイナス十三組の教室内にて、球磨川は机に両足を乗せて組み、後頭部に両手を添えている態度の悪い少女に言い放った。 少女の名は名瀬夭歌(なぜようか)。現在球磨川が敵対している生徒会の会長を務める黒神めだかの姉に当たり、本名は黒神くじらという。 顔面を包帯でグルグル巻きにし、額にはナイフが刺さっているいかにもな格好の名瀬は、球磨川の言葉にギィと醜く歪める。 「ときめくね」 今回、球磨川が名瀬に持ちかけている提案、それは「生徒会を裏切り過負荷側へ付け」というもの。 球磨川の文句に心揺らいだ名瀬は即答で「今日から俺は二年マイナス十三組の名瀬夭歌だ」と言いつつ、その包帯を解く。 そこから現れた顔はとても整っており、百人中誰もが振り向くであろう顔立ちだった。 生徒会を裏切った名瀬は球磨川に、これから集まる過負荷のリストを提示するよう要求し、球磨川はあっさりそのリストを差し出す。 「へー流石に知ってる名前もないでもないな」 ペラペラとリストを流し読みしている名瀬は、ある一人の転校生の名前に手を止めた。 「おいおい、人が悪いぜ。こんな隠し玉があるなら俺なんて必要ないだろう?」 そこに記載されている一人の男子生徒の名前に名瀬は見覚えがあった。 いや、少しでも血生臭い裏の世界に触ったことがあるものなら誰もが聞いたことがある名前。 『いや、実はその子は選挙に間に合うかわからないんだ。無事に転校できるかも怪しいものでね』 『僕は悪くない』と相変わらずの笑顔を浮かべる球磨川。 名瀬は見覚えがあると言ったが、実際にこの少年の姿を目撃したことがある。 バイオテクノロジーの世界的権威である彼女は研究の為、各地の施設を回ることが多かった。 その中で学園都市と呼ばれる、もはや一つの国と現わしても語弊の無い巨大な「研究施設」に招致された時だ。 名瀬が少年を目撃したのは。 学園都市では超能力という力の研究を進めており、ランク付けされた「モルモット」達が生活していた。 炎を生み出し、水を操り、瞬間移動をし、電撃を繰り出す。 学園都市内ではそんな非日常の光景が日常であり、名瀬もいくらか驚いた記憶があった。 そんな中、学園都市の観光中に一人の少女が少年に対して電撃を放った瞬間を名瀬は目撃した。 心の中で「ご愁傷様」とつぶやいた名瀬だったが、少年は電撃に対し右手を差し出しただけで打ち消したのだ。 それが、名瀬が学園都市で最先端の科学に触れたことより、超能力というスキルを見たとことよりも彼女に衝撃を与えることとなり、 残りの滞在期間で少年の事を調べたのである。 調査結果の中には名瀬の知りたい情報は一つもなかったが、学園都市を去った後、噂でこの少年の逸話を聞くことがあった。 最強の超能力者を倒した。 世界中に人脈を持つ。 戦争を終わらせた。 全てを殺す。 そして、学園都市を崩壊させた。 噂だという分を差し引いた所で、火の無い所に煙は立たないと言う。 実際に彼は噂に近い事をやって来たのだろう。 『その子と僕は友達でね』 驚いている名瀬に球磨川の声がかかる。 そして名瀬は生徒会庶務・人吉善吉の母である人吉瞳の言葉を思い返した。 ――この学園に集結している過負荷の中でも、二人は球磨川君に匹敵する。 名瀬は理解する。間違いない、この男が球磨川に匹敵する二人の内の一人だと。 『やっと、花が咲いてくれたんだ。幻想だけじゃなく、全てを殺すほどの魅力をもった花を』 『早く、会いたいな』 球磨川は心底嬉しそうな笑みを浮かべながら天井を仰ぐ。 名瀬は溜息をつき、リストを机の上に投げ捨てる。 一番上になったそのリストにはこう書かれていた。 所属・二年-十三組 過負荷・幻想殺し 氏名・上条当麻 備考・転校生 そして物語は 過負荷と異常と特別と普通の戦いへと 進んでいく―― 球磨川『学園都市?』 VeryVery BAD END
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Q.クロスバイクとは? A.ロードバイクよりオフロードに強く、マウンテンバイクより速く走るバイクです。 町乗りには最適化された自転車ですね 変速機はマウンテンバイクよりのことが多いです。 Q.クロスバイクのハンドルの握り方を教えてください A.たぶんフラットバーハンドルだと思いますので、普通に軽く握ってあげてください。 バーエンドバーは、フラット部を握るのが疲れたり、高速で走ったりする時、坂道を登る時に握ったりします。 通して言えることは、力いっぱい握らないでください。 優しく、包み込むような感じで握ってあげてください。 Q.クロスバイクって、どれぐらいの価格のを買えばいいんですか? A.目的に応じて違いますが、高くても10万以下が良いと思います。 安ければ2万ぐらいから買えますし,ママチャリとは全くちがいますのでぜひ一度乗ってみることをおすすめします。 Q.折りたたみのクロスバイクってありますか? A.ありますよ! クロスバイクは室内保管の方が多いので折りたたみの機能の便利だと思います 有名なものでいくとDOPPELGANGERのこのようなタイプがあります Q.サスペンション付きのクロスバイクの方がいいですか? A.速さを要求するならリジッド、快適さを要求するならサス付きがいいと思います。 Q.クロスバイクに泥除けって付けるもんなの? A.雨の日に付ける人はいます。 トピークとかから、浮き輪みたいに空気を入れて使うフェンダーも発売していますので、それを使うのも良いと思います。 Q.クロスバイクって、どれぐらいの速度(スピード)で走れるんですか? A.車種にもよりますが、最高でも平地で(ドラフティング無しで)時速45kmぐらいじゃないでしょうか。 平均は時速20~30km程度かと思われます。 やはりママチャリよりは早いです。 Q.クロスバイクに前カゴを付けたいんだけど A.取り付けることは可能です。が、載せれるのはせいぜい4kg程度です。マウントに本来想定されていない荷重がかかるため、フレームの寿命を縮めますので、注意が必要です。 はじめからかごが付いているモデルがあるのでそちらの方が良いと思います 価格が安くなっているものとしてはこのようなのがあります
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『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(前編) ◆ElBBuB18Y2 球磨川禊はどうしようもない『過負荷(マイナス)』であり、『負完全』である。 思想は退廃的で破滅的。 人々をあざ笑うかのような態度と、良いと悪いを一緒くたにした弁術で、『嫌悪感(マイナス)』を周囲へと振り撒く。 常人であればある程そのマイナスには耐えきれず、相対しただけで関わり合いたくないと思わせる。 『過負荷』であり『負完全』。 世界有数の心療科医でさえ、その心の在り方を、その心の存在すらも把握できなかった男。 『過負荷』の中でもトップクラスにマイナスな存在。 それが球磨川禊。 異質度でいえば、今回の殺し合いに参加する者の中でも群を抜くだろう。 (『ん~、それにしてもどうしようかな。これは』) そんな球磨川は今、正直に悩んでいた。 他でもないこの殺し合いという状況に、どう行動していくかを悩む。 脳内の爆弾を解除し、平戸ロイヤルを打倒する? これは駄目だ。ツマらな過ぎるし、そんな『幸福(プラス)』な結末など自分の目指す所ではない。 もっとマイナスな、不条理と理不尽とやるせなさに満ち満ちた結末が望ましい。 ならば、どうする。 参加者を殺害していくか? それはそれで面白そうだが、未成年の内に殺人を犯すとどうにも損をしたような気分になる。 それに、この案では平戸ロイヤルが『丸得(プラス)』になってしまう。 平戸ロイヤルは殺し合いを開催した動機について、ラスボスを倒す為に必要だと言っていた。 その最中に出てきた安心院については一旦棚に上げ、ラスボスという言葉に注目してみる。 ラスボスとは、少年漫画的に言えば『悪』だ。 ラスボスを倒せば、『悪』を倒せば、殆どの人々は幸福になる。 ラスボスとはそういうものだ。逆に言えば、そういう存在でなければラスボスたりえない。 つまり、この殺し合いの末にラスボスが倒されてしまえば、沢山の幸福が発生するのだ。 例えこの殺し合いで全参加者を殺害したとしても、相対的に人々は『幸福(プラス)』となってしまう。 それはツマらない。 もっとマイナスへ、皆が皆等しく絶望に浸れるようなバッドエンドを目指さなくては。 それが『過負荷』たる自分の目指す所だ。 (『やれやれ。「参加者をマイナスにする」、「主催者もマイナスにする」。両方やらなくちゃならないってのが『過負荷』の辛いところだぜ』) わざとらしい溜め息と共に言葉を吐き捨て、球磨川は道を往く。 そんな彼が、その参加者と出会ったのはもう少しばかり先の話である。 決して揺らがぬ信念を以て数多の幻想をぶち殺してきた少年―――上条当麻。 何があっても守り抜きたかった存在と、共に戦いを潜り抜けてきた右腕とを喪失した、満身創痍の『幻想殺し』。 寺生まれの男に背負われ運ばれる上条を、球磨川は遠目ながらに発見する事となる。 球磨川は覚えていた。 始まりの始まり、あの体育館にて爆殺された少女。 誰もが驚愕の声を上げる中で、ただ一人少女の名前を叫んだ男いた。 悲壮の籠もった男の声に、『過負荷』としての好奇心が反応し、視線を動かす。 そして、その姿を垣間見た。 ウニのようなツンツン頭の学生服の男。 上条当麻の姿を、球磨川は覚えていた。 灰色のアスファルトを見知らぬ男に背負われて進んでいく上条に、球磨川は僅かに口角を吊り上げた。 何も深い考えがあった訳ではない。 ただ面白そうだから、言うなればただそれだけの、子どもの如く純粋な気持ちで球磨川は行動する。 上条と寺生まれの男を追跡する球磨川。 前方を歩く彼等が辿り着いたのは市街地の中に聳え立つ施設であった。 外見からその施設が何なのか球磨川にも理解できた。 看板に大きく掲げられた赤い十字架。 白色を基調として彩られた建物は、薄暗闇の中でも目立って見える。 病院だ。 ゲーム開始と同時に確認した地図にも載っていた施設である。 恐らく背負われている上条が怪我でもし、その治療の為に病院へと向かっていたのだろう。 まあ、妥当な判断だ。 (『ん、あれは』) だが、上条を背負う男は正面口から病院に入ろうとはしなかった。 不信に思った球磨川も病院の正面玄関へと視線を向ける。 そこには何か作業をしている男がいたのだ。 筋肉質の男は、殺し合いの場だというのに鼻歌混じりの軽い調子で作業を行っている。 自身の実力に相当な自信でもあるのだろう。 (『トラップか何かかな? いやに楽しそうだけど』) 第一印象で球磨川は筋肉質の男を『普通』か『特別』かのどちらかだと断定する。 その男からは『異常』や『過負荷』特有の異質さが感じられない。 あの自信に満ち満ちた態度も判断の一員となっている。 あんなプラスな様相など『過負荷』に醸し出せる訳がない。 球磨川は筋肉質な男についての考察を終え、上条を背負う男の追跡を再開する。 男はどうやら裏口へと回っていくようであった。 玄関先の男との遭遇を避けたのは、それだけ上条が緊急の状態にあり、尚且つ男が殺し合いに乗っていないか判断できなかったからであろう。 球磨川もその後をついて行く。 玄関から病棟を迂回し、裏手にあった扉から中に入る。 上条を背負う男は周囲に警戒を飛ばしながら病棟内を進んでいく。 様々な部屋に入っては棚や引き出しの中を漁り薬品や包帯を持ち出していき、最終的には病室の一つに入っていった。 恐らくは入院患者が使用する個人用の病室なのだろう。 『うーん、入りづらいなあ』 入り口は一つだけ。 どう入っても室内の男には発見されてしまうだろう。 球磨川としては現状、親しい人物を殺害され精神的に落ち込んでいる上条にしか、興味はない。 他の参加者と接触して無駄手間を被りたくもないのだが、 『ま、いっか。別に大した事じゃないし』 球磨川はそんな自分の考えすらも適当に打ち切った。 何の気なしに上条と男が入っていった部屋へ向かい、その扉を開けた。 開いた扉から、唐突の入室に驚きながら此方を振り返る男と、ベッドに寝かせられている上条の姿が見える。 上条と男の二人を見回し、球磨川は何時も通りの笑顔で言い放った。 『えー、出会ったばかりのいきなりで申し訳ありませんが、今から僕的ぶっ殺しタイムに入りたいと思います』 殆どが口から出任せの、取り敢えず場を乱す事だけを目的とした言葉の数々。 何時も通りの笑顔で言い切り、球磨川は手中に巨大な螺子を発現させる。 適当に言葉を吐くだけで、人は容易く動揺を表に出す。 大抵の人間はその隙をつくだけで打ち倒す事ができるものだ。 『あ、残念ながら拒否権は何処にも御座いませんので、よろしく―――』 言葉で隙を引き出し、その隙を見逃す事なく、突く。 相手のマイナスを察知できる球磨川だからこそ、その戦法は本来のものとは桁違いの効力を以て、戦果を齎す。 殆どの敵はこの戦法だけで螺子だらけの雁字搦めとできる。 「破ぁっ!!」 できる筈だったのだが、球磨川の前に立つ男は球磨川以上の問答無用さを持っていた。 球磨川が隙を突くよりも早く、男は迷いの無い行動で己の技を繰り出していた。 飛びかかろうと両脚に力を込めた球磨川へと拳を掲げ、咆哮一発。 たったそれだけで球磨川の痩躯が紙切れのように舞い上がり、入ってきた扉を突き破って廊下の壁へと激突した。 「ふう、危なかった……奴はまぁあれだ、なんやかんやで危ない奴だった、うん。かなりのヤバさだったな。いや、危なかった」 球磨川を吹き飛ばした男は一人納得するようにうんうんと頷き、上条の側へと戻っていく。 今回は無事に守り抜く事ができたと、男は思わず安堵の表情が浮かべていた。 男の通称は、寺生まれのTさん。 法力を込めた一括により数多の悪霊を封じてきた、寺生まれの男だ。 Tさんは手慣れた動作で上条の傷の治療に取り掛かろうとする。 謎の侵入者に邪魔されてしまったが、上条は早急に治療をしなければマズい状態だ。 何せ右腕が切断されてしまったのだ。 応急処置としての止血は行ったが、それも完全ではない。 今直ぐに完全な止血を行わなければならないだろう。 失血を回復させる為に輸血なども行いたいが、残念ながら其処までの知識は持ち合わせていなかった。 今は出来る限りの処置を。 弱きを助ける為に力を手に入れた男が、一つの命を助ける為に奮闘を始める。 『うわー、酷いなあ。粉砕した肋骨で内臓がズタズタだあ。あぁ、意識も朦朧としてきたなあ。これ死んじゃうのかな? あ、でも痛みは凄いあるからなー。どうなんだろ?』 ベッドに寝かせられている上条の傍らに膝を付いたその時、寺生まれの男は聞いた。 撃退した筈の存在の声を。 おどろおどろしい雰囲気に染められたその声を。 殆ど反射的に振り返り、再び念力を放とうと拳を突き出す。 『遅ぇよ』 が、突き出した拳は巨大な螺子によって迎撃された。 拳を破砕して、螺子が突き進む。 拳はもはやその形を成しておらず、赤と肌色と黄色の混ざった物体となっていた。 螺子は壊れた拳を貫通して、Tさんを病室の壁へと縫い付けた。 次いで左腕に螺子が刺さり、更に腹部に二本の螺子が刺さる。 まるで標本に飾られる虫のように、寺生まれの男が病室へと飾られた。 「お、前は……」 身体を襲う激痛に、それでも叫び声の一つも上げなかったのは日頃の鍛錬の成果なのだろう。 確かに念力は直撃した。 先程の妖怪の時と同様に本来の威力ではなかったものの、直ぐに立ち上がれるような攻撃ではなかった筈だ。 それが何故こうもピンピンしている。 いや、何故傷一つ負っていない。 自分の法力が通じなかったとでも言うのか。 コイツは―――、 『言っただろ。俺は球磨川禊、どうしようもなく駄目で、どうしようもなく腐っていて、どうしようもなく不快な、ただの『過負荷(マイナス)』さ』 Tさんは薄れる意識の中、迫り来る巨大な螺子の姿を見ていた。 脳裏に思い浮かぶのは走馬灯か。 救う事ができた後輩達の顔、救う事ができた友人達の顔、そして最後に浮かぶは両親たる父と母の姿。 ああ、あの父だったら、自分より遥かに強い力を持つ父だったら、もっと上手くやれたのだろうか。 激痛すら押しのけて込み上げる悔恨に、Tさんは強く歯を鳴らした。 ―――グシャリ そして、Tさんの顔面に巨大螺子が突き刺さった。 消毒液を右腕の断面図にぶっかけ、薬品を滅菌のヘラを使用して薬品を塗り込む。 ガーゼで傷口を抑え、包帯で強く巻いた。 『過負荷』の自分に上手な処置が出来る訳がないので、適当に処置を行ったのだが、効果はそれなりに出ているらしい。 上条の表情から幾分か苦悶の色が抜け、落ち着いたようにも見える。 死んでしまったら死んでしまったで、まあ『過負荷』の自分には似合いの結果だとも思ったが、無駄な努力でもどうやら実を結ぶらしい。 取り敢えず上条を放置し、球磨川は隣のベッドへと腰掛ける。 あとは意識が回復するまで待つばかりだ。 球磨川は暗闇の病室にて仮初めの笑顔を浮かべて、時が来るのを待っていた。 ◇ 気付けば上条当麻は、明かり一つない真っ暗な世界にて佇んでいた。 上下左右、全てが全て真っ暗闇。 自分がどちらを向いているのかも分からなくなる、そんな暗闇だ。 何がどうなった、と上条は純粋に疑問を浮かべていた。 完全な暗闇という異質な空間にいるにも関わらず、恐怖は感じない。 ただ、疑問が沸き上がる。 どうにも記憶がハッキリとしない。 今まで自分は何をしていた? 何故こんな空間にいるのだ? ここは何処だ? 必死に思考を回すも、記憶が引き出される事はない。 まさかまた記憶喪失にでも陥ったのかと、思わず考えてしまう上条であったが、どうもそういう訳でもないらしい。 自分の名前も思い出せるし、少し前のものならば記憶だって呼び起こせる。 スキルアウトに襲撃された御坂美鈴を助けに行き、スキルアウトのリーダーらしき男をぶちのめし、そして救急車へと乗せられた。 そして僅かばかりの間、何時もの病院に入院する事になり―――そこから先の記憶が見付からない。 思い出す事ができない。 お馴染みの病室にて外を眺めたいて、それからどうなった? どうして、こんな意味不明空間にいるのだ? もしや、また魔術師の仕業か? アイツを狙ってまたもや魔術師が動き出しているのか? 助けにいかねば。 こんな空間なんて、この右手で直ぐにぶち破ってやる。 それでアイツの元に駆け付け、絶対に守り抜く。 そうさ、アイツは『上条当麻』が命懸けで、自身の記憶と引き換えにしてまで救い出したかった存在だ。 『上条当麻』の分まで、守らなければならない。 何より、自分の心が叫んでいる。 アイツを―――イン■■■■を救うんだ、と。 ………………? イン■■■■? イン……何だったっけ? 変てこな名前で、まるで文房具屋にでも売ってそうな名前。 そんな名前の筈だったのに……。 思い、出せない? 何より救いたい者なのに、何時までも共に居たい者なのに、 思い出せない。 その名前が、思い出せない。 ? ?? 何がどうなってるんだ? 「……とーま」 声が、聞こえた。 聞き覚えのある声は、聞き覚えのない声色でもった紡がれていた。 ああ、イン■■■■……良かった、無事で――― 「とーま、痛いよ」 あ、 ああ、 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 思い出した。 思い出してしまった。 「何で助けてくれなかったの? とーま。ねえ、とーま?」 そうだ。 イン■■■■は、死んだ。 自分の目の前で、頭を吹き飛ばして 死んだ。 「とーまなら救ってくれるって、助けてくれるって信じてたのに。ねえ、どうして? 何で助けてくれなかったの? とーま」 少女がいた。 顔の半分を無くしてしまった少女が、 純白だった修道服を血に染めて、 そこにいた。 「あ、」 「痛いんだよ、苦しいんだよ、助けて欲しいんだよ、。とーま、とーま、とーま、とーま」 「う、あ」 「とーまああああああああああああああああああああああ!!」 「う、わああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 気付けば、少女に背を向けて、走っていた。 怖い。 ただ、怖かった。 血まみれの少女が、ではなく、少女から飛ばされる言葉が。 怨みの募った言葉が、ただひたすらに怖い。 「助けてよおおおおおおおおおおお、とーまああああああああああああああああああああ!!!」 走れども走れども、声は何処までもついてきた。 ごめん、悪い、すまなかった。 謝罪の言葉は浮かべど、口から出る事はない。 思わず右手を振るう。 神だろうと何だろうと、それが異能であれば打ち消す右手を、振るう。 幻覚ならば、幻想ならば、消えてくれと。 心の底から願って、右手を振り回す。 全てを覆う暗闇へと、しっちゃかめっちゃかに振り回す。 振り回して気付いた。 異様なまでに右手が、軽い。 違和感に従って、視線を右手へと送る。 全てを覆う暗闇の中で、何故か右手の様子ははっきりと伺えた。 さっきのイン■■■■と同じである。 右手を見て、心が再度恐怖に支配された。 「うわああああああああああああああああああ!!?」 右手が、無い。 数多の事件を共に解決してきた右手が、数多の幻想をぶち殺してきた右手が、ない。 グロテスクな断面だけが、其処にある。 恐怖。 ただ、それだけが上条の精神を凌辱する。 どんな敵を前にしようと揺らぐ事の無かった瞳が、力無く濁る。 謝って許して貰えるなら幾らでも謝る。 夢ならば、覚めてくれ。 お願いだ。 誰か、この幻想をぶち壊してくれ。 「ねぇ、とーま」 ポン、と肩に手が置かれる。 その軽い触感に、上条は叫び声を上げて転んだ。 如何なる相手と相対しようと、前へ前へ突き進んだ両脚が、あまり易く崩れる。 ガチガチとぶつかり合う歯が、上条の心中を表していた。 「とーまの―――嘘吐き」 あ、と、上条は、感じた。 自分の全てを、底の底までを、否定された気がした。 嘘。 そう、上条は嘘を吐き続け、生きてきた。 記憶を失った事、この上条当麻は君が想う『上条当麻』とは違う事、全てを嘘で塗り固め、生きてきた。 それでも、この少女が笑顔でいてくれるなら、それで良いと思ってきた。 それで良いと、言い聞かせてきた。 でも、結局は守れなかった。 何も守れず、イン■■■■が死ね瞬間を黙って見ていただけだ。 『上条当麻』なら、イン■■■■を絶望から救い出した『上条当麻』なら、動けたのだろうか。 嘘を吐き続け、それで良いと自己を擁護し、結局はイン■■■■を死なせてしまった。 俺は、俺は、俺は 「う、あ、あ、あ、あ、ああああああああああああぁぁぁぁぁああああああああああ!!」 何が至らなかったのだろうか。 訳も分からぬ叫びが喉なら迸った。 夢なら覚めてくれ。 上条当麻は心底からそう願い、 「うああ!!」 そして、跳ね上がるように、悪夢から目覚めた。 仰向けの状態から勢い良く上体を起こし、荒い呼吸を繰り返す上条。 身体は寝汗でびしょ濡れになっていた。 頭が重い。 思考も鈍っている。 息を深く吸い、長く吐き出した。 一度の深呼吸は、上条にそれなりの落ち着きを取り戻させていた。 イン■■■■の声は聞こえない。イン■■■■の姿も見えない。 周囲は変わらぬ暗闇であるものの、それは薄暗いといった程度のもの。 先程までの異質な空間とはまるで違う、現実感のあるものであった。 「夢……だったのか?」 胸裏を占める安堵感に任せて、声が零れていた。 全てが、夢だった? さっきの出来事も。 右手が斬り落とされた事も。 イン■■■■が死んだ事も。 全てが夢? 夢なのか? 『そう、夢だよ。全部、全部、ぜーんぶ夢。イン■■■■が死んだのも、あんな殺し合いも、全部夢だ。だから安心して、呑気に、間抜けに、寝てて大丈夫さ』 唐突に、声が聞こえた。 薄暗闇の中から聞こえる声。 やはり何故だか、イン■■■■の所だけがノイズでも走ったかのように聞き取れない。 自分自身が聞く事を、思いだす事を拒絶しているかのようだ。 「お前は……?」 視線を向けると、そこには男が立っていた。 おそらくは上条と同年代の少年であろう。 学生服を身に纏った少年は、無邪気な笑みを張り付かせて上条を見つめていた。 『俺は球磨川禊。今回のスーパードッキリ企画の企画人さ。どう驚いた? 最新CG技術をフル活用したグロテスクシーンは? 大丈夫、心配するなよ。 イン■■■■ちゃんは無事だよ。本当にあんなグロテスクなことする訳ないじゃん。だから、夢。さっきの、てか全部夢さ』 混乱する頭に、更なる混乱の要因が流れ込む。 本当に、本当に、全ては嘘なのか。全てが幻想であってくれるのか。 なら、それはどんなに嬉しい事だろうか。 「本、当に……?」 『そう全部夢。つまりは嘘さ。イン■■■■ちゃんは死んじゃいないし、君の右腕だって斬られちゃいない。あと、因みに―――』 眼前にちらつかされた希望に、上条は絶望の表情に笑みをたたえた。 薄い薄い、普段の彼からすれば余りに力の無い微笑み。 普段の彼を知る者ならば、彼に感化された者ならば、その表情に驚愕を覚えるだろう。 彼が、上条当麻が、このような表情を浮かべるのか、と。 『―――僕の言った事も全部嘘』 「…………は……?」 絶望の笑みが、困惑に止まった。 アイツの事も、右腕の事も、あの殺し合いだって全部嘘。 だけど、男は自身の発言さえ嘘という。 つまり、どういう事なのだ。 嘘、なのだろう? あんな酷い出来事、実際に有り得る訳がない。 イン■■■■を、あんな優しい少女をああも簡単に殺害するなんて。 まるで物でも扱うかのように、殺害するなんてそんな訳があるものか。 『あれ、まだ良く分かってないみたいだね。いやあ、鈍いねー。じゃあ、自分の右腕を見てみれば? 最悪で最高の答えがそこにあるよ』 男の言葉に、思わず視線がさ迷ってしまう。 そう、右腕を見れば答えは分かる。 自分は右腕を斬り落とされた。 あの出来事が夢でなかったとすれば、自分の右腕は存在しない。 あの出来事が夢ならば、自分の右腕は存在する筈だ。 一目瞭然。見れば分かるイージー問題だ。 だが、怖い。 その答えを見てしまうのが、本当の事実を知ってしまうのが、どうしようもなく怖い。 『あはっ、現実逃避も良いんじゃないの? 何時までも現実から目を背けて、クソったれな幻想を見続けてると良いよ。先に待っているのは、最高にハッピーで最高に下らない結果だろうけどね』 男の言葉には脅威と感じる程の圧力があった。 男の言葉に逆らえない。 上条の視線が揺らぎ、その右腕がある、もしくはない方向へと向かっていく。 本人からすれば何十秒にも感じる長い時を挟んで、上条は見た。 見て、幻想をぶち壊される。 「あ、あ、ああ……」 当然の如く、其処に腕は存在しなかった。 視認すると同時に認識する。 腕がない。 存在しないのだから動かす事はできないし、触覚もない。 バランスもおかしく身体が左側に傾げる。 むしろ何故今まで認識できなかったのだと思う程だ。 全ては幻想でしかなかった。 全部が夢だったなど、現実逃避の幻想でしかなかった。 つまり、あの金髪の女に腕を斬り落とされたのは勿論、イン■■■■が殺害されたのも全て―――、 「あああああああああああああああ゛あ゛あ゛あああああああああああああああ!!!」 獣じみた絶叫が上条の喉から迸る。 何かを否定するかのように何度も何度も首を横へ振り、右腕の断面図を握り締める。 食い込む指に激痛が走ろうと、上条の行動は止まらなかった。 遂にはバランスを崩し、ベッドから転がり落ちる上条。 白色の床へと何度と頭を打ち付け、上条は顔中の至る所から液体を流す。 涙が、鼻水が、涎が、上条の言葉と共に床へとまき散らされる。 守りたかった、守らねばならなかった、少女。 彼女を守れるならば、何を犠牲にしても良いとすら考えていた。 『上条当麻』はイン■■■■を救う為に死んだ。 なのに、自分は何もできやしなかった。 呆然と立ち尽くし、イン■■■■が殺害される瞬間を見ていただけだ。 何をしているのだ。 俺は、俺は、俺は――― 『好きな人すら守れない男、か。いや、守れなかったてのは今更どうでも良いか。あれは完全に不意打ちだったもんね。仕方無い面も少しはあるよ。 でも、戦おうとすらしないなんてねえ。近年稀に見る最低意気地なし男だよ、上条ちゃんは』 球磨川の声に上条の動きが、止まる。 自身の胸中を見透かされたかのような言葉であった。 イン■■■■を助けられなかった事実に対する自己嫌悪。 その気持ちを完全に言い当てられた。 そしてもう一つ、上条が球磨川の言葉に反応した理由があった。 『戦おうとすらしないなんて』―――球磨川のその一言に上条は反応した。 上条は生気の無い瞳で球磨川を見上げる。 「戦おうとすら……しない……?」 『だってそうだろ? 君はイン■■■■ちゃんが殺されてしまったっていうのに、こんな所でのうのうと気絶していたんだ。とてもじゃないけど信じられないね。想い人を殺害された男の取る行動じゃあない』 「でも……だって、もうアイツは……」 上条の理解は追い付かない。 眼前の男が何を言っているのか分からない。 戦おうとすらしない、という事は何かと戦えばイン■■■■は助かるという事なのか。 ならば幾らでも戦う。 どんなに強い敵とだって戦ってみせる。 それでイン■■■■が蘇るのなら、自分の身体がどうなろうと幾らだって戦う。 『平戸ロイヤルが言ってたじゃないか。殺し合いに優勝すれば、願い事を叶えて上げるって』 色々な事が起こりすぎて、上条は平戸ロイヤルの言葉を忘れていた。 願い事。 死亡した人間の蘇生も、記憶をなくして元の場所に帰還させる事も、永遠の命も、莫大な富さえも、平戸ロイヤルは与えてみせると言っていた。 自分がこの殺し合いで生き延び、優勝すれば、イン■■■■を蘇生する事だって出来る。 いや、この殺し合いで死んでしまった全ての参加者を生き返らせる事だって出来る。 平戸ロイヤルが言った事とは、つまりはそうだ。 自分が生き延びれば、全ての参加者を打ち倒せば、全ての参加者を殺害すれば―――誰もが誰も幸せな、ハッピーエンドを迎えられるのだ。 『どうする、上条ちゃん。君に覚悟はあるのかい? 例え人から後ろ指を刺される殺人鬼になったとしても、それでもイン■■■■ちゃんを、全ての参加者を救う覚悟が』 平戸ロイヤルのあの言葉が嘘のようには思えなかった。 上条には想像も付かない力で、恐らく本当に死者の甦生をやってのけるのだろう。 イン■■■■が助かる。 他の参加者だって助かる。 球磨川の言葉に、上条は俯き加減にあった表情を上げた。 瞳には何時もの力強い灯火が宿っていた。 数多の人々を救い、その生き方を変えてきた男の力強い眼光。 もはや上条に迷いはなかった。 上条は、覚悟の言葉を紡ごうと口を開き、 「俺は―――」 そして、思い出した。 『インデックスは……インデックスは、とーまのことが大好きだったんだよ』 記憶を無くし、全てが未知に見える世界で出会った、少女の姿を。 涙を目に溜めて、震える声で言葉を吐き出す少女の姿を。 自分が彼女に対して嘘を吐き通そうと決意した瞬間の事を、思い出した。 インデックス。 何故、今まで思い出せなかったのだろう。 インデックス、インデックス、インデックス。 コロコロとした笑顔を浮かべる少女を思い出し、上条は薄い微笑みを讃えた。 (そうだ、そうだよな、インデックス……) 大きく息を吸った後、万感の想いと共に言葉は紡がれる。 上条の覚悟が言葉に乗る。 そう、答えはこんなにも簡単なものだったのだ。 全ての罪を背負い、それでも前に進む。 その為にも自分は、『上条当麻』とは違う第二の上条当麻は、暗闇の道を突き進む。 そうだ。 それで良い。 だから、この男にはこう答えるのだ。 「―――俺は、殺し合いには、乗らない」 そう、自分の覚悟の証を、紡ぐ。 時系列順で読む 前へ:出木杉くんの言うとおり! 戻る 次へ:『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(後編) 投下順で読む 前へ:壊【そげぶ】(前編) 戻る 次へ:『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(後編) キャラを追って読む 「パンティとストッキングが交差するとき、物語は始まる!」 feat. 坊主-T 寺生まれのTさん 『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(後編) 上条当麻 Restart 球磨川禊 ▲
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機甲都市クロス クロス元:機甲都市伯林 第一話 第二話 TOPページへ このページの先頭へ
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小ネタ 短編・一発ネタなど。 ※クロスオーバーされる側の原作作品のあいうえお順となっております あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 小ネタあ行 小ネタか行 小ネタさ行 小ネタた行 小ネタは行 小ネタま行 小ネタら行 小ネタわ行 嘘予告あ行 嘘予告か行 嘘予告さ行 嘘予告た行 嘘予告な行 嘘予告は行 嘘予告ま行 嘘予告や行 嘘予告ら行 嘘予告わ行 あ行 作品タイトル クロス元 作者 アーマード・なのは 戦う理由 アーマードコア 五代目スレ74氏 無題 アーマードコア リリカル・コア氏 無題 アーマードコア リリカル・コア氏 捏造依頼集 アーマードコア リリカル・コア氏 捏造依頼集その3 アーマードコア リリカル・コア氏 無題 アーマードコア 真祖の人氏 無題(↑の追加) アーマードコア エラッタ氏 リリカルなのはStS×アーマードコア・ラストレイヴン アーマードコア・ラストレイヴン なのはStS×覚悟のススメ氏 リリカルなのは ストライカーズ ~ミッドチルダに鴉は舞う~ アーマードコア4 真祖の人氏 無題 ARMS 八代目スレ303氏 人妖少年スプラッタかりと あやかしびと 天元突破レイジングレン氏 Wizards on the Horizon イベント・ホライゾン R-TYPE Λ氏 烈火の恋歌 うたわれるもの y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏 聖王のおまる(増量版) 浦安鉄筋家族 ◆b0oj18fZ9A氏 魔法筋肉浪漫譚『リリカル漢魂!!!』 漢魂!!! R-TYPE Λ氏 上へ か行 作品タイトル クロス元 作者 巨大怪樹、海鳴を襲撃 帰ってきたウルトラマン ◆FIvCkC2XSg氏 キバッてリリカルなのは! 仮面ライダーキバ マスカレード氏 リリカル☆ルーク 仮面ライダーキバ キャロとバクラの人氏 ロジカル☆ビショップ 仮面ライダーキバ キャロとバクラの人氏 仮面ライダーヴィヴィ王 仮面ライダー電王 なのウタ氏 魔法少女リリカルなのは マスカレードと7人の戦鬼 仮面ライダー響鬼と七人の戦鬼 マスカレード氏 追憶 仮面ライダーBlack Black氏 南光太郎の追跡 仮面ライダーBlack Black氏 ホテルアグスタ・サイドブラック 仮面ライダーBlack Black氏 自転車を漕いだ日 仮面ライダーBlack Black氏 無題 仮面ライダー龍騎 十二代目スレ199氏 リリカルなのはCuldcept ―Belkan Holy Knight― カルドセプト リリカルなのはCuldcept氏 リリカルなのはCuldcept お爺ちゃんは出オチの巻 カルドセプト リリカルなのはCuldcept氏 魔戒騎士列伝~異界の章~ 牙狼-GARO- 78代目スレ359氏 LYRICAL GARO 牙狼-GARO- BLASSREITER LYRICAL氏 ガングレイヴODクロス短編「狗と少女」 ガングレイヴOD Strikers May Cry氏 魔法殺し屋☆ピノッキオ ガンスリンガーガール キャロとバクラの人氏 全力・全開!エルドラA s Gun×SWORD ◆9AuJCD5Ft6氏 ~機動戦士StSガンダム 次元の神秘大作戦~ 機動戦士SDガンダム なの魂の人氏 魔法マスター リリカルアジア!! 見よ! 東方は赤く燃えている!!!! 前編 機動武闘伝Gガンダム Strikers May Cry氏 魔法マスター リリカルアジア!! 見よ! 東方は赤く燃えている!!!! 後編 機動武闘伝Gガンダム Strikers May Cry氏 逆転の魔法少女 逆転裁判 ◆9AuJCD5Ft6氏 リリカル悪魔将軍 キン肉マン 二代目スレ139氏 魔砲少女と喧嘩ヤクザ グラップラー刃牙 三代目スレ49氏 リリカル絢爛舞踏祭 絢爛舞踏祭 なのはStS×覚悟のススメ氏 リリカル忍法帖 甲賀忍法帖 三代目スレ33氏 リリカルギアス コードギアス キャロとバクラの人氏 リリカルギアス 潜入のティアナ コードギアス キャロとバクラの人氏 リリカルギアス 逆襲のノーヴェ コードギアス キャロとバクラの人氏 ヴィヴィオの不思議なダンジョン コードギアス、ファイナルファンタジーⅦ リリカルグレンラガン氏 魔法少女刑事 こちら葛飾区亀有公園前派出所 七代目スレ295氏 覇王VS特殊刑事課三羽烏! こちら葛飾区亀有公園前派出所 地獄の四兄弟氏 Call of Lyrical 4 予告編 Call of Duty 4 THE OPERATION LYRICAL氏 孤独のグルメ 番外編:海鳴市『翠屋』のアンミツ 孤独のグルメ 魔法少女リリカルなのはTES氏 無題 COBRA 355氏 幻想殺し ゴルゴ13 五十八代目スレ679氏 無題 金色のガッシュ!! なのはStS+φ’s正伝氏 上へ さ行 作品タイトル 元 作者 スクウェア作品一発ネタ サガフロンティア他 十代目スレ642氏 リリカル・フロンティア番外編 ――HERO――その名はアルカイザー 前編【ヒーローと少年】 サガフロンティア なのはVSボウケン氏 リリカル・フロンティア番外編 ――HERO――その名はアルカイザー 後編1 【翔べ 不死鳥の如く】 サガフロンティア なのはVSボウケン氏 リリカル・フロンティア番外編 ――HERO――その名はアルカイザー 後編2 【翔べ 不死鳥の如く】 サガフロンティア なのはVSボウケン氏 リリカル・フロンティア番外編 ――HERO――その名はアルカイザー 後編3 【翔べ 不死鳥の如く】 サガフロンティア なのはVSボウケン氏 魁!! 非魔法少年(!?)リリカル源次 偽第一話「男塾万歳!」 魁!!男塾 Strikers May Cry氏 魁!!非魔法解説者リリカル雷電 「雷電さんは物知りなの」 魁!!男塾 Strikers May Cry氏 なのマティ高校 魁!クロマティ高校 魔装機神氏 魁!?エリマティ高校 魁!クロマティ高校 ◆2.4DbjMHKE氏 リリカルなのはSUMMON NIGHT~Girl meets Soldier of tinplate~ サモンナイト3 リリカルなのはSUMMON NIGHT氏 リリカルなのはSUMMON NIGHT~Girl meets Soldier of tinplate~番外編 サモンナイト3 リリカルなのはSUMMON NIGHT氏 邪眼はクラナガンに飛ぶ 邪眼は月輪に飛ぶ 邪眼はクラナガンに飛ぶ氏 無題 獣装機攻ダンクーガノヴァ 387氏 ジョジョクロス ジョジョの奇妙な冒険 三代目スレ23氏 無題 ジョジョの奇妙な冒険 四代目301氏 なのはだけジョジョ風味 第九話『たいせつなこと それは『覚悟』ッ!』 ジョジョの奇妙な冒険 二十八代目スレ248氏 リリカルレジアス ジョジョの奇妙な冒険 ×DOD氏 <リリカルなのは×ジョジョ第五部> ―眠れる運命の奴隷達―(前編) ジョジョの奇妙な冒険 魔法少女リリカルなのはStylish氏 <リリカルなのは×ジョジョ第五部> ―眠れる運命の奴隷達―(中編) ジョジョの奇妙な冒険 魔法少女リリカルなのはStylish氏 魔法少女リリカルなのはSilhouette Notes シルエットノート 魔法少女リリカルなのはSilhouette Note氏 召喚師リリカルキャロ 祟り神召喚編 真・女神転生 ゲッターロボ昴氏 最速少女ラディカルノーヴェ スクライド 魔装機神氏 最速少女ラディカルノーヴェ 1 ノーヴェ奪還作戦本部、設立 スクライド 魔装機神氏 スターオーシャン・リリカルストーリー~シグナム外伝~ スターオーシャン・セカンドストーリー 反目のスバル氏 魔法鉄騎リリカルトロンベ スーパーロボット大戦OG 反目のスバル氏 【天元突破しそうな修羅の人がスカと手を組んだようです】 スーパーロボット大戦OG外伝 OSGS氏 炎、氷、そして、光 世界樹の迷宮Ⅰ リリカルルーニー氏 魔法英雄リリカルBASARA 武田家の日常、熱血!武田一瞬館 戦国BASARA 魔装機神氏 最強のおかん 戦国無双 真祖の人氏 上へ た行 作品タイトル クロス元 作者 無題 タイムボカン 二代目スレ400氏 リリカルなのはと地球防衛軍のクロス 地球防衛軍 二代目スレ93氏 Lyrical`s HIGH TV s HIGH ◆heZlW5Fk6U氏 リリカルなのは Death Note Death Note リリカルなのは Death Note氏 召喚師ルーテシア 悪魔使役編 デビルサマナー ゲッターロボ昴氏 地獄に落ちた高町なのは デビルマン 七代目スレ185氏 無題 Devil May Cry 赤字氏 無題 Devil May Cry 赤字氏 ―Interview with devils― Devil May Cry 魔法少女リリカルなのはStylish氏 『リィリカル!』上編 デュラララ! 六十二代目スレ124氏 『リィリカル!』中編 デュラララ! 六十二代目スレ124氏 無題 東方Project 真祖の人氏 リリカルなのは 幻想伝 東方Project 真祖の人氏 魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる hack//G.U. 四十五代目スレ635氏 ~誰かの為にサックスが奏でるレクイレム~ TRIGUN 真祖の人氏 ヴィヴィオと十字架な先生達 TRIGUN、HELLSING Strikers May Cry氏 ― 兇人襲来 ― TRIGUN MAXIMUM 反目のスバル氏 無題 D-LIVE!! ◆/bxc/fVH8氏 ドラえもん のび太と虹の魔法使い(仮) ドラえもん なのはVSボウケン氏 上へ な行 作品タイトル クロス元 作者 砲撃少女ウィザードなのは ナイトウィザード ゲッターロボ昴氏 無題 ニニンがシノブ伝 マスカレード氏 上へ は行 作品タイトル クロス元 作者 なのはのバーニングクリスマス 前編 Burnin X mas(TRPG) リリカルルーニー氏 なのはのバーニングクリスマス 後編 Burnin X mas(TRPG) リリカルルーニー氏 魔法少女リリカルなのはイレブン~フィールドの覇者~ バトルサッカー、ウイニングイレブン6 OSGS氏 BANNANO! バッカーノ! リリカル龍騎氏 無題 バハムートラグーン 四十代目スレ42氏 無題 PAPUWA リリカル龍騎氏 無題 彼岸島 なのはVSボウケン氏 塩漬け原人リリカルピクル ピクル ◆e4ZoADcJ/6氏 秘密結社スカの爪 参上! スカの爪団 秘密結社鷹の爪 反目のスバル氏 100万回生きたスカリエッティ 100万回生きたねこ 86代目スレ423氏 無題 ひらけ! ポンキッキ 二代目スレ269氏 ―謎の男 on the bigbridge― FF12 bigbridge氏 無題 フィロソマ 414氏 LYRICAL : HAZE HAZE R-TYPE Λ氏 -THE REQULIMER- HALO REQULIMER氏 無題 HELLSING リリカル犬狼伝説氏 無題 HELLSING 六代目スレ83氏 ホーリー●ラウニー ホーリーブラウニー 367氏 ティアナが世紀末にやって来たようです 北斗の拳 反目のスバル氏 ナナナーナ・ナーノハ ボボボーボ・ボーボボ リリカル龍騎氏 上へ ま行 作品タイトル クロス元 作者 MACROSSリリカル7 マクロス7 なのはVSボウケン氏 Voice of Midchilda マクロスプラス 四十九代目スレ943氏 魔少女ヴィーティー 魔少年ビーティー Devil never Strikers氏 クロス:マルドゥック・ヴェロシティ マルドゥック・ヴェロシティ 五代目スレ59氏 マルドゥック・ヴェロシティクロス「はやての家族~カトル・カール召喚編」 マルドゥック・ヴェロシティ ゲッターロボ昴氏 無題 メタルウルフカオス 六代目スレ103氏 Metal Wolf Strike メタルウルフカオス なの魂の人氏 キャロがモンハンの竜を召喚したようです 1 モンスターハンター キャロとバクラの人氏 キャロがモンハンの竜を召喚したようです 2 モンスターハンター キャロとバクラの人氏 魔法筋肉浪漫譚『リリカル漢魂!!!』 漢魂!!! R-TYPE Λ氏 上へ や行 作品タイトル クロス元 作者 ストラクチャーパック魔法少女編 遊戯王GX リリカル遊戯王GX氏 ストラクチャーパック魔法少女編(改訂版) 遊戯王GX エラッタ氏 遊戯王5D s ―LYRICAL KING― 予告 遊戯王5D s 反目のスバル氏 復活の白き方舟(前編) 勇者王ガオガイガーFINAL 反目のスバル氏 復活の白き方舟(中編) 勇者王ガオガイガーFINAL 反目のスバル氏 ―世にも奇妙なミッドチルダ― 『ユーノ君の孤独のグルメ』 世にも奇妙な物語 魔法少女リリカルなのはStylish氏 上へ ら行 作品タイトル クロス元 作者 反逆者 リベリオン 五十九代目スレ541氏 リベリオンクロス「クラリックの少女」 リベリオン ゲッターロボ昴氏 リリカルが如く 龍が如く Strikers May Cry氏 無題(仮) レーシングラグーン 五十九代目スレ105氏 幕末輪廻-人斬り抜刀斎と呼ばれた男 るろうに剣心 京都輪廻氏 砲撃王 連射王 367氏 ロックマンゼロ-逆襲の救世主-予告 ロックマンゼロ ロックマンゼロ氏 |上へ わ行 作品タイトル クロス元 作者 リリカルエンブリオ ワールドエンブリオ ◆heZlW5Fk6U氏 焔の黒騎士~ミッドチルダ異聞~ ワイルドアームズ 2nd IGNITION ゲッターロボ昴氏 絶対に笑ってはいけない機動六課24時 笑ってはいけないシリーズ 反目のスバル氏 StrikerS終盤はこんな風にしたら面白かったと思うんだけどな~ワンピース風味編~ ONE PIECE なのは×終わクロ氏 上へ 小ネタあ行 作品タイトル クロス元 作者 無題 アーマードコア 十一代目スレ362氏 高機動機、ACなのは アーマードコア 二十代目スレ532氏 CastleVorken 悪魔城ドラキュラ 九代目スレ200氏 ウサギ村@ANUBIS×リリカル ANUBIS ZONE OF THE ENDERS 五代目スレ104氏 無題 ARMS リリカル犬狼伝説氏 無題 ウルトラセブン 三十六代目スレ542氏 無題 ウルトラマンA 二代目スレ155氏 浦安鉄筋家族(無印)12巻参照 浦安鉄筋家族 三代目スレ527氏 ヴァイス強化計画 エースコンバット0 九代目スレ512氏 小ネタか行 作品タイトル クロス元 作者 一発ネタ 白い魔王VS紫の狂人 仮面ライダー電王 二代目スレ284氏 無題 仮面ライダー電王 九代目スレ29氏 無題 元祖!でぶや!! 魔装機神氏 無題 機甲都市伯林 五代目スレ265氏 あのシーンをガンダムOO風にしてみた 機動戦士ガンダム00 反目のスバル氏 リリカルマスターなのは ギャグマンガ日和他 節制の14氏 無題 キン肉マンⅡ世 二代目スレ43氏 無題 銀魂 414氏 製作者の視聴者とふれ合う質問コーナー 銀魂 五代目スレ174氏 続・一発ネタ 食いしん坊 七代目スレ424氏 痛快・一発ネタ ゲーム帝国 六十一代目スレ492氏 無題 孤独なグルメ 七代目スレ456氏 無題 金色のガッシュ!! 六代目スレ335氏 小ネタさ行 作品タイトル クロス元 作者 無題 サモンナイト2 五代目スレ433氏 式神の城 x 魔法少女リリカルなのは 式神の城 三代目スレ97氏 エスパニアン皇帝グラフツラー Schwarzschild 83な人氏 無題 ジョジョの奇妙な冒険 四代目スレ505氏 ゴールド・エクスペリエンス ジョジョの奇妙な物語 四代目スレ580氏 ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム ジョジョの奇妙な冒険 四代目スレ580氏 小ネタ ジョジョの奇妙な冒険 十七代目スレ79氏 続・一発ネタ 食キング 七代目スレ441氏 無題 スーパーロボット大戦A 五代目スレ565氏 無題 スプリガン リリカル犬狼伝説氏 無題 スレイヤーズ 四代目スレ568氏 無題 真説魔獣戦線 二代目スレ152氏 小ネタた行 作品タイトル クロス元 作者 無題 太陽の勇者ファイバード 五代目スレ92氏 真・ヴォルケンリッター 真!! ゲッターロボ 世界最後の日 五代目スレ284氏 無題 DEATH NOTE 十一代目スレ193氏 Raising Heart. DEATH NOTE Raising Heart. 氏 東方リリカル塚 東方Project 五代目スレ163氏 改変ネタ 特攻野郎Aチーム 五十四代目スレ413氏 weapon story レイジングハート ドラッグ オン ドラグーン ×DOD氏 weapon story バルディッシュ ドラッグ オン ドラグーン ×DOD氏 weapon story 夜天の書 ドラッグ オン ドラグーン ×DOD氏 weapon story ストラーダ ドラッグ オン ドラグーン ×DOD氏 weapon story レヴァンティン ドラッグ オン ドラグーン ×DOD氏 weapon story ケリュケイオン ドラッグ オン ドラグーン ×DOD氏 小ネタは行 作品タイトル クロス元 作者 機動六課にとんでもない野郎共が来たようです バキほか多数 Strikers May Cry氏 魔王少女リリカルなのはPARANOIA PARANOIA 十代目スレ656氏 死にたい連中にお勧めの「ソビエト人民最大の敵(スターリン曰く)」ハンス・ウルリッヒ・ルーデル (機動6課編) ハンス・ウルリッヒ・ルーデル 真祖の人氏 小ネタま行 作品タイトル クロス元 作者 魔導師クロノ無謀編? 魔術師オーフェン 八代目スレ281氏 無題 マルドゥック・ヴェロシティ 五代目スレ59氏 無題 矛盾都市TOKYO 367氏 小ネタ「義義義のエリオ」 無双OROCHI 無双氏 無題 メタルギアソリッド 294氏 こっち行けといわれた小ネタ メタルギアソリッド 十五代目スレ113氏 無題 メタルギアソリッド 十九代目スレ50氏 蛇さんの美食講座 メタルギアソリッド3 Strikers May Cry氏 蛇さんの美食講座その二 メタルギアソリッド3 Strikers May Cry氏氏 蛇さんの美食講座その三 メタルギアソリッド3 Strikers May Cry氏 リリカルジャスティス学園 (多分)予告 燃えろ! ジャスティス学園 ゲッターロボ昴氏 小ネタら行 作品タイトル クロス元 作者 ヴィータがオフ会に行った ローゼンメイデン他 三代目スレ65氏 小ネタわ行 作品タイトル クロス元 作者 無題 ONE PIECE 五代目スレ566氏 上へ 嘘予告あ行 作品タイトル クロス元 作者 アーマ-ド・コア fLA(for Lyrical Answer) アーマードコア フォーアンサー 67代目スレ103氏 アイドル管理局リリカルなのはStrikerS アイドル防衛隊ハミングバード リリカルルーニー氏 魔法妖怪リリカル殺生丸 犬夜叉 反目のスバル氏 無題 WizardryXTH 十二代目スレ8氏 A sの願い ウルトラマンメビウス 十一代目スレ6氏 無題 エースコンバット 108氏 L change the world after story L change the world ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは氏 リリカル大神 大神 リリカルなのはDHS氏 嘘予告か行 作品タイトル クロス元 作者 なのは 魔法少女空中決戦 (劇場予告バージョン) ガメラ 大怪獣空中決戦 ネオシャドームーン氏 仮面ライダークロス・仮面ライダー昴 仮面ライダー ゲッターロボ昴氏 仮面ライダー斬鬼 嘘予告 仮面ライダー響鬼 五代目スレ263氏 予告 からくりサーカス なのはVSボウケン氏 魔道武戦伝Gスバル 機動武闘伝Gガンダム 魔装機神氏 魔法少女リリカルなのはCST Cute Sister TRPG リリカルルーニー氏 ゲゲゲのアリサ第○話 ゲゲゲの鬼太郎 二代目スレ282氏 GS美神 ~ストライカーズ大作戦!!~ GS美神 ~極楽大作戦!!~ BLACK CAT~Next StrikerS~の人氏 【ナイトメア・オブ・リリカル】白き魔女と黒き魔王と魔法少女たち コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー リリカル! 夢境学園氏 恋姫s.TRI.ed 恋姫無双、スクライド 超魔法重神氏 ゴッドオブウォークロス「神殺し」 ゴッドオブウォー ゲッターロボ昴氏 嘘予告さ行 作品タイトル クロス元 作者 魔法少女リリカルなのはA s×ザ・グレイトバトル予告編 ザ・グレイトバトル 七代目スレ155氏 召喚戦記 リリカルナイト サモンナイト2 リリカル! 夢境学園氏 無題 斬魔大聖デモンベイン リリカル犬狼伝説氏 七人の魔法少女 七人の侍 節制の14氏 ジャイアント・ロボvs魔法少女リリカルなのは the StrikerS ~時空の静止する日~ ジャイアントロボ the Animation ~地球の静止する日~ 十代目スレ300氏 シャイニング・フォース フェザー リリカルウィンド予告編 シャイニング・フォース フェザー 光の軍勢氏 ゲッターロボ昴 新ゲッターロボ ゲッターロボ昴氏 ショウジョタチのツバサ ~The Angels~ ストレイトジャケット 五代目スレ62氏 リリカルなのは×ストレイトジャケット ストレイトジャケット フルメタなのは氏 魔法少女リリカルなのは -It s a Wonderful World- すばらしきこのせかい リリカル龍騎氏 ゼーガペインクロス予告編 ゼーガペイン なのはVSボウケン氏 赫炎のクラナガン 赫炎のインガノック リリカル! 夢境学園氏 SOUL SIGNAM ソウルキャリバー 魔装機神氏 嘘予告た行 作品タイトル クロス元 作者 ブラストハンドが多すぎる! ダブルクロス・リプレイ・ストライク リリカル! 夢境学園氏 魔法獣王リリカル・カオス嘘予告 月姫 十二代目スレ313氏 魔法獣王リリカル・カオスA s嘘予告 月姫 十二代目スレ571氏 沈黙の魔法少女リリカルなのは 沈黙の戦艦他 三代目スレ64氏 マジカル・クラッカーズ Dクラッカーズ リリカル! 夢境学園氏 リリカルスマイルズ ~五人目の天使(エンジェル)~ デス・スマイルズ STGネタ氏 Magic girl Lyrical NANOHA―Devil Hunters― Devil May Cry 四十九代目スレ680氏 「リリカルなのは×禁書目録」 とある魔術の禁書目録 五十五代目スレ187氏 「レプリカ」 とある魔術の禁書目録 五十七代目スレ521氏 無題 東方永夜抄、エースコンバット0 五代目スレ56氏 .hack//Lyrical予告 .hack リリカル龍騎氏 StrikerS VS 怒首領蜂 怒首領蜂 大往生、虫姫さま ふたり ◆.cmcLtDHEM2R氏 狼と運命の挽歌 TRIGUN Strikers May Cry氏 リリカルTRIGUN-MAXIMUM TRIGUN リリカルTRIGUN氏 嘘予告 TRIGUN リリカルゾイド氏 竜†恋+StS 竜†恋+StS 四十代目スレ538氏 SSじゃないけどなのは格ゲー妄想 ドラゴンボールZ Sparking! METEOR 十一代目スレ366氏 嘘予告な行 作品タイトル クロス元 作者 魔法忍者リリカル鴉 忍道 戒 フルメタなのは氏 嘘予告は行 作品タイトル クロス元 作者 魔法来訪者リリカルBAOH バオー来訪者 十二代目スレ390氏(313氏) BLACK CAT~Next StrikerS~ BLACK CAT 三十五代目スレ437氏 冥王計画リリカルなのはA s 冥王計画ゼオライマー 四十一代目スレ611氏 P3Lyrical ペルソナ3 戦国の鉄の城氏 無題 星のカービィ 九代目スレ49氏 嘘予告ま行 作品タイトル クロス元 作者 魔戒法師REZI 魔戒騎士列伝 鋼の咆哮 三十七代目スレ705氏 魔法(?)大統領 リリカル・ウィルソン ストライカーズ メタルウルフカオス 八代目スレ620氏 MONSCAR HUNTER モンスターハンター 三十代目スレ535氏 嘘予告や行 作品タイトル クロス元 作者 嘘予告ら行 作品タイトル クロス元 作者 ルパン3世 くたばれジェイル・スカリエッティ! ルパン3世 四十三代目スレ363氏 ロマンシングサ・ガ2クロス予告編 ロマンシング・サガ2 なのはVSボウケン氏 嘘予告わ行 作品タイトル クロス元 作者 魔法少女リリカルなのはStrikerS - ONE - ~輝く季節へ~ - ONE - ~輝く季節へ~ 二十九代目スレ217氏 上へ トップページへ
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“幻想殺し”と黙する姫【レイディ】 ◆LxH6hCs9JU この身に降りかかった不幸、そのすべてを語る。 それは姫路瑞希にとって、過酷な要求であると言えた。 羞恥心も忘れて露出狂すれすれの格好を晒していたことや、声を失ってしまったこと。 それらの起因はなんだったのか、紳士を自称する上条当麻は、すべてに繋がる理由を知りたがっている。 決して土足ではなく、むしろ懇切丁寧な態度で、瑞希の閉ざしかけていた心に入り込もうとする彼。 優しくて、頑張り屋で、一生懸命な……そんな、どこか親近感を覚えてしまう姿が、目に焼き付く。 彼になら、すべてを打ち明けてしまってもいいのかもしれない。そう思えるくらいに、好感が芽生え始めてもいた。 言葉で事のあらましを語ることはできないが、代わりの筆談という方法のほうが、むしろ心情的には楽でもある。 あのときのことを思い出すとなれば、声を失っていようといなかろうと、たぶん途中で口が開かなくなってしまうだろうから。 徐々に日差しが強くなってきた、午前から午後に移り変わろうかという時刻の、学校の屋上。 姫路瑞希は上条当麻が差し出すペンとメモ用紙に手を添え、そっと受け取った。 順番に、綴っていこう。 彼ならきっと、自分の助けになってくれる。 初対面の相手にこんなことを言うのは恥ずかしいが、上条当麻には、自分が好きな男の子に近い雰囲気を感じるから――。 ◇ ◇ ◇ 昼、学校、屋上にて。 上条は、どうにか事が進展しそうな空気にホッ胸をなで下ろす。 筆談によるコミュニケーションを了解してくれた姫路瑞希は、無地のメモ用紙にペンを走らせていった。 丁寧で丸っこくて小さい、いかにもな女の子の筆跡は、瑞希の存在をより身近なものに感じさせる。 上条は瑞希が綴る文面を追いつつ、彼女がどんな体験を経てここにいるのかを推察していった。 「筑摩小四郎、ねぇ……それが姫路が初めて会った人間ってわけか。 ああ、悪い。俺の知ってる名前ってわけじゃないんだ。 甲賀弦之介、朧、薬師寺天膳、このへんも全然だな。伊賀とか甲賀とかってのもよくわかんねぇし。 でもこの筑摩ってやつはたしか、六時の放送で……いや、すまん。続けてくれ。 んで、姫路と筑摩はその後、二人して温泉に行った……って、温泉!? 温泉に行ったのか!?」 ……コクリ。と瑞希がゆっくり頷いた。 温泉。 温泉といえば上条の出発点であり、北村祐作や千鳥かなめとの合流地点と定めた場所である。 「なら、北村には……会ったのか。ああ、焦んなくていいから。姫路のペースで、ゆっくりでいいから、教えてくれ」 欲していた情報を瑞希が握っているかもしれない。そう予感しても、説明を急かすような真似はしない。 第一に瑞希の精神面を重んじ、無理のない範疇でこれを探っていこうと、上条は自身を諌めた。 「北村に誘われて、か。じゃあ俺のことも……やっぱ、話には聞いてたんだな。 北村の他? 朝倉涼子に、師匠……どっちも知らないな。 と、そういや、俺のことをまだ話してなかったよな。まずはそっから話すわ」 上条は瑞希に、温泉で北村やかなめを交えた話し合いがあったことを教えた。 それは瑞希も知っていたようで、上条とかなめの外見的特徴についてもあらかじめ聞き及んでいたらしい。 「というわけだからまあ、北村が姫路たちに声をかけたのは、俺と千鳥が発ってすぐのことだと思う。 朝倉や師匠って奴のことも知らないし、姫路たちよりも前に声をかけたのがそいつらなんだろうな」 気のせいだろうか。 朝倉涼子の名前を口にするたび、瑞希の身体が小刻みに震えているように見える。 この時点で一つの憶測が頭に宿るも、上条は口にせず、続きを待った。 「姫路と、筑摩と、北村と、そんで朝倉との四人で情報交換か。そのあとが……姫路?」 そこではたりと、瑞希の筆が止まった。 筑摩小四郎と会った、北村祐作と朝倉涼子の二人に会った、四人で話をした、ここまではいい。 だがその先が、綴られない。瑞希が綴ろうとしない。 きゅっと口を閉ざし、目線をじっと紙にやって、ペンを強く握ったまま、硬直してしまっている。 なにか、語りたくないことがあるのは明白だった。 「……話すの、つらいのか?」 上条が訊くと、瑞希はコクリと頷いた。 「あーっとだな。つらいんなら、俺も無理強いはしない。ここで中断ってことで――」 上条の言葉を遮るように、瑞希は首を横に振った。 「そっか。じゃあ、続き書けるか?」 瑞希は、今度は上条の目を見て頷いた。 再びペンを走らせる。その指は明らかに震えていたが、上条は指摘しようとはしなかった。 震える筆跡で、少し歪んだ字が形成されていく。それでも、そのへんの男子学生の字に比べればよっぽど綺麗で上手い。 そして、 「朝倉涼子に……風呂場で、襲われた?」 無地の紙に綴られる、真実。 上条は一瞬、自分の目を疑う。 だが辛辣な瑞希の表情を見て、すぐにこれが冗談でないと知った。 予想もしていたし覚悟もしていた、つもりでいた。 しかし。 姫路瑞希を蝕む恐怖は、上条当麻が考えるよりもずっと、根の深いものなのかもしれない。 ◇ ◇ ◇ 文月学園のクラス振り分け試験の際、高熱でふらふらになりながらペンを握っていたことがある。 あのときのつらさに比べれば、こんなことはなんでもない。 ただありのままに、自分が体験したことをわかりやすく、文面に綴るだけ。 ……だというのに、姫路瑞希の筆の進みは悪かった。 指先がぷるぷると震えるのは、身体が拒み、本能が恐れているから、なのかもしれない。 思い出さなければいけないという重圧。他人に知られてしまうという恐怖。 目の前の壁はあまりにも険しく、立ち向かうのも困難な代物だった。 でも、これを乗り越えないと先には進めない。 それくらいは自分にもわかった。 わかっていたから、あえて挑むんだ。 朝倉涼子が本性を隠し、瑞希たちの信用を得たところで本性を表したということ。 詳細は不明だが、“師匠”という人物が朝倉涼子に協力しているらしいということ。 筑摩小四郎や北村祐作も、おそらくは朝倉涼子と師匠に殺されてしまったということ。 瑞希は、師匠の顔を見たわけではない。 瑞希は、小四郎と北村が殺害される現場を目撃したわけではない。 瑞希は、朝倉涼子と師匠が厳密どういう関係にあるのか知っているわけではない。 この程度の情報でも、誰が危険人物で誰がそうでないかは、容易に推察できる。 上条当麻にもそれは伝わったらしく、メモ用紙に対し憤怒の表情で唸っていた。 やっぱり、彼なら……。 瑞希は意を決し、朝倉涼子に殺人を強要されたことについても綴った。 吉井明久は殺さないでおいてやるから、涼宮ハルヒ以外の人間を殺せ――。 瑞希は朝倉涼子に殺されなかったのではなく、生かされたのだと、そう考えている。 剥がされた爪、傷跡が残る左の中指、朝倉涼子の危険性を示唆する物的証拠。 それは上条の目にも映り、我慢できなくなったのか、憤慨の猛りをあらわにした。 ◇ ◇ ◇ 「許せねぇ……!」 姫路瑞希が文字でもって語る朝倉涼子の狂行に、上条当麻は激しく憤慨した。 善良な素振りで近づき、油断したところで喰らう、まるで羊の皮を被った狼のような所業。 その上ただ喰らうだけでなく、怯える女の子に殺人を強いろうとまでするなど、もはや人ではない。 「北村の名前が呼ばれたときは何事かと思ったけど、そうか……そんなことがあったのか。 姫路はその後、服も着せられずに朝倉に放り出されて、ここまで逃げ延びてきたと。 ん? っていうことは、シャナや櫛枝や木下には会ってない……すれ違いだったのか?」 『黒い壁』に赴く道中で出会った三人のことを思い出し、訊く。 瑞希は驚いた風にハッとし、ペンを走らせていった。 メモ用紙の文面には、『木下って、ひょっとして木下秀吉くんですか?』とあった。 「ああ。実を言うと、姫路のことも木下から少し聞いてたんだ。吉井ってやつのことも。 本人の名前は名簿には載ってなかったけど、そこは北村と同じ扱いってことなんだろう。 櫛枝は北村の友達だったみたいでさ、温泉を出た後に顔を合わせて、すぐに別れたんだ。 だいたい六時前後くらいには温泉についたと思うんだが……そういや、シャナはどうだ? ……知らない、か」 瑞希の反応から、やはりあの三人とはすれ違いになってしまったのだろうかと上条は考える。 となれば、シャナたちが辿り着いたのは必然的に、惨劇の現場だ。 特に櫛枝実乃梨などは、友達の死体を目撃してしまったかもしれない。 彼女たちのこともまた気になるが、今はそれよりもまず、目の前の瑞希である。 「……でも、そうだよな。そんな怖い目にあったんなら、声が出なくなったとしても不思議じゃないよな」 ふと上条が零した発言に、瑞希が首を傾げる。 「いや、最初は『能力』かなんかで声が出なくなってるのかとも思ったんだけどよ。 襲われたときのショックが原因だってんなら、回復の見込みもあるだろうし……そっち方面、詳しくないんだけどな。 にしても、やっぱ許せねぇよ。その朝倉涼子って奴。目的もイマイチ見えてこねぇし、涼宮ハルヒってのはそいつのボスかなんかなのか?」 『クラスメイトみたいです』、と瑞希は書いて教えてくれた。 涼宮ハルヒを生かすために他者を殺害する朝倉涼子。どう考えてもただの女子高生とは思えない。 かなめらとの認識の齟齬から察するに、一概に能力者や魔術師であるとは考えにくいが、はたして何者なのか。 師匠という人物も謎だ。伝え聞いた情報によれば女性らしいが、性別以外の素性が見えない。というかなぜ本名でなく肩書きなのか。誰の師匠なのか。 「……うし。温泉でなにが起こったのかは、だいたい理解できた。 あんがとな、姫路。よく教えてくれた。それと、つらいこと思い出させてごめんな。 慌ただしくて悪いんだけど、俺が知ってることもここでもっと詳しく教えとく。 千鳥のこととか、シャナたちのこととか……それで姫路がなにか気づくこともあるかもしれないしな」 事のあらましを把握した上条は、続いて自身が保有する情報を提示し始める。 瑞希の反応はどこか虚ろだったが、それも声を失っているためだろう……と、上条は大して気にもとめなかった。 ◇ ◇ ◇ ……言えなかった。 一番隠していてはいけないことが、言えなかった。 一番話さなければいけないことが、言えなかった。 勇気が足りない、決心がつかない、打ち明かすのが怖い――コワイ。 声が出なくなってしまった本当の理由。 話の中には出てこなかった、もう一人の登場人物。 姫路瑞希が背負っている罪過。 一生、付き合わなければいけないもの。 一生、目を背け続けたいと思ってしまうもの。 ぬくもり。優しさ。一緒に歩めると期待していた。無言。寡黙。無反応。転落。 拒絶。喪失。失われてしまった存在。無碍に。固まって凍てついて熱くなって。 ぐるりぐるりと回想は巡り、逃げ出した姫路瑞希、困惑と迷走の果てのデジャヴ。 黒桐さん。黒桐幹也さん。死んでしまった人。死なせてしまった人。 声が出なくなってしまったのは、罰。 罪人への罰。 姫路瑞希に対する仕打ち。 黒桐幹也からの。 押し潰されそうだった。 いっそ押し潰されてしまいたかった。 二の舞は嫌だ。二の舞は嫌だ。 助けてとも言えない。 差し伸べられる手は掴む。 これ以上の苦痛は、 これ以上の苦痛は、 温泉に行こう。 これ以上の苦痛は――嫌。 彼の言葉は、口にしてはならない言葉だった。 彼の言葉は、聞いてはいけない言葉だった。 姫路瑞希にとっての、禁句。 あのときの、引き金。 トラウマ。 ◇ ◇ ◇ 「温泉に行こう」 すべての事情を知り、上条当麻はその結論に達した。 「元々、俺も温泉に戻ろうとしてたところだしな。千鳥の奴とも合流しとかねーと。 あとはシャナたちも……時間を考えたらとっくに移動してるかもしれねぇけど、望みはあるだろ。 北村たちもそのまんま、ってわけにはいかねぇだろうし。あー、そういや川嶋はどうすっかな……」 ぶつぶつと口に出しながら、上条は頭の中を整理していく。 考えるべきことは山ほどあった。 まず、温泉のこと。 北村祐作が朝倉涼子、もしくは師匠なる人物に殺された地。 シャナと櫛枝実乃梨と木下秀吉、それに千鳥かなめが向かっていった場所。 危険人物である朝倉が、まだ近辺をうろついていないとも限らない状況である。 朝倉が善良な人間を装うというのであれば、すぐさまその危険性を伝えに走らなければならない。 次に、川嶋亜美のこと。 シャワーを浴びるよう勧められてからかなりの時間が経過したが、彼女はまだ校内に残っているのだろうか。 上条が亜美にしてやれることは少ない、いや、それどころか皆無なのかもしれない。 だからといって、このまま放っておくというのもどうなんだろう。 せめて朝倉の危険性くらいは、彼女にも伝えておかなければ。 それから、インデックスや御坂美琴と白井黒子、土御門元春にステイル=マグヌスのこと。 未だに噂を聞かない、学園都市の出身者たちと魔術師連中。 彼女たちはどこでなにをしているのか。心配にならないと言えば嘘になる。 目先のことで手一杯だから、と棚上げしてられるのはいつまでだろう、と上条は頭を悩ませた。 「……結局、一つ一つあたっていくしかないってのがつらいところだよな」 口から出たのは、弱音ではなく、変わらぬ結論。 気になることは多数、やらなくてはならないことも多数、だが上条当麻はこの身一つ。 様々な苦境を破壊してきた『幻想殺し(イマジンブレイカー)』の右腕も、この一本きりなのだから。 着実に、一つ一つ解決していくしか道はない。 「お恥ずかしながら、上条さんってのは不器用な男でして。約束すっぽかして千鳥にぶっ飛ばされるのも勘弁願いたく……姫路?」 ふるふる。 瑞希は、首を振っている。 顔を俯かせて、ただ首を横に振っている。 「……温泉行くの、嫌なのか?」 上条が訊いた。 ふるふる、ふるふる。 瑞希は首を振っている。瑞希は首を振っている。 ふるふる、ふるふる、ふるふる、何度も、ふるふる、ふるふると。 上条と目を合わせようとせず、一心不乱に、それしか能がないように、首を振る。 「…………」 首を縦に振ることは、肯定。 首を横に振ることは、否定。 言葉を交わし合えなくとも、これくらいは動作で判別がつく。 瑞希は温泉行きを拒否していた。 「でも、なぁ。千鳥を放ったままってのもあれだし……」 ふるふる。 上条がなにか言葉を発するごとに、瑞希は首を振った。 「いや、わかりますよ。そりゃ、姫路にとってはつらいことかもしんねーけど、だからってこのままここにいても――」 ぎゅっ。 瑞希が急に行動を変えた。 ただ首を横に振るのではなく、上条の体操服の裾を両手で握った。 懇願のポーズだった。 「…………あー」 上条は言葉を失った。 かけるべき言葉が見つからなかった。 説得の仕様がなかった。 どうしようもないほどに悟ってしまった。 姫路瑞希は温泉には行かない。 行こうと思わない。 行きたくても、行けない。 行けない。 (……だよな、そりゃ) 間違っているのは瑞希ではなく、自分のほう。 温泉に行こう――これは上条当麻の失言だった。 ほんの少しの後悔が、上条を唸らせる。 ぱっ。 瑞希が上条の体操服から手を離した。 再びペンを取り、メモ用紙になにかを書き起こす。 『お手洗いに』 簡潔なメッセージに、上条は「ああ」としか言えない。 瑞希は立ち上がり、校舎の中へと消えていく。 そして屋上には、上条だけが残された。 「…………」 一人きりになって、黄昏る。 ◇ ◇ ◇ 屋上から逃げてきた姫路瑞希は、どこに向かうでもなくただ階段を降りていた。 学校。文月学園のそれに比べれば随分とシンプルな、どこか古びた印象すら受ける建造物。 それが妙に懐かしくて、親近感が湧く。廊下を歩くだけで、教室に入るだけで、涙が出そうになった。 偶然にも、『2-F』の教室を見つける。 二年Fクラス。瑞希が在籍していたのもまた、二年Fクラスだった。 ただここの教室は、瑞希が日々勉学に励んでいたFクラスとは似ても似つかない。 机は卓袱台でもみかん箱でもなかったし、床も畳ではない。空調もちゃんと効いている。 とはいえAクラスほどの設備は揃っていない、いたって普通の教室だった。 こんな環境で勉強ができたなら、明久くんあたりは泣いて喜びそうだな、と……。 (明久くん……) 窓際の一番後ろの席。吉井明久の席。 いつも瑞希や島田美波や坂本雄二や土屋康太や木下秀吉が集まっていた席。 楽しくおしゃべりしたり、試召戦争の作戦会議を開いたり、笑い合ったりした席。 (わかってる、はずなのに……) ここには、日常もなにもない。 学校という記号だけを持つ、ただの寂れた建物だ。 瑞希が帰るべき場所、帰りたいと思っている場所は、他にある。 (ここにいたって、なんの解決にもならない……) 停滞はなにも生まない、停滞はなにも育まない、停滞はなにも変えてはくれない。 勉強だってそう。努力するから道が切り開ける。 恋愛だって、同じはず……。 (やっぱり、私は……明久くんに会いたい) クラスメイトである木下秀吉の居場所を聞いても、瑞希の想いは揺らがなかった。 自らが犯してしまった罪は認めるし、いつか償いをしなければならないとも思う。 けれどもやはり、今は。心の安寧を得るためにも、今は。今を生きるためにも、今は。 明久くんに会いたい。 ただそれだけを思って、明久を想う。 明久を想って、しかし身体は動かない。 どこに行ってなにをすればいいのか、未だに答えは浮かんでこなかった。 問。どうすれば吉井明久に会えるでしょう。 答。わかりません。 赤点で落第で補習確定な解答。 成績が優秀なら、人生も優秀というわけではない。 自分が嫌いになってくる。 上条当麻は追いかけては来ない。 このまま消えてしまおうかとさえ思った。 (いつだって、そう) また、ひとりぼっち。 これからも、ひとりぼっち? いつまで、ひとりぼっちなんだろう。 (私は、いつだって明久くんが助けに来てくれるのを待っていただけ) 王子様の助けを待つばかりの、お姫様。 なんて、自朝にもなっていない自嘲。 このまま窓から飛び降りたいくらい。 「……?」 Fクラスの教室から、窓の外の風景を眺める。 校舎の四階に位置しているそこからは、学校周辺の街並みがよく見えた。 なんの変哲もない住宅街、遥か南に聳える『黒い壁』、それよりも気になったのが、窓のすぐ向こうにある校庭。 校庭全面に、“白線の模様”が描かれていた。 イメージしたのは、ナスカの地上絵。 ペルーの高原に描かれているという、世界遺産にも指定された幾何学図形だ。 図のような絵のような、紋章のような魔法陣のような、イタズラのようなメッセージのような……よく、わからない。 おそらくは、体育の授業などに用いるライン引きを使って誰かが描いたのだろう。 が、その目的は皆目見当もつかないし、実行したのが誰なのか、この模様がどういう意味を持つのかも、やっぱりわからない。 それなに不思議と、目を奪われる。 瑞希はしばらくの間、校庭に描かれた模様を眺め続けていた。 (……あ。なんだか、これって) 召喚獣を呼び出すときに出てくる幾何学的な魔法陣に似てるな、なんて思いつつ。 ◇ ◇ ◇ 「……なんでしょうね、あれ」 同時刻、上条当麻も姫路瑞希と同じ風景を、屋上から眺めていた。 校庭に描かれた幾何学的紋様。まさかあれが、生徒作成の即席ランニングコースであるはずがない。 「ライン引きかぁ。おもしろいよな、あれ。小学生のときはあれでよく落書きしたり……って、上条さんはその頃の記憶がねーんですけどもさ」 瑞希を引き止められなくて、なんとなく屋上の端で黄昏てみた、偶然の発見。 くだらないことする奴がいるもんだなぁ、と上条はその程度の感想しか抱かない。 調べてみようという発想にも至らない。ただのイタズラとしか捉えない。 「あいつのルーン……ってわけじゃないよな。はははっ、まさか……出てこねぇだろうな、『魔女狩りの王(イノケンティウス)』」 校庭に足を踏み入れた途端、大炎上――傍にはほくそ笑むステイル=マグヌスが! なんてことになったら笑えない。 あのヘビースモーカーの力は頼れるものがあるが、上条は何度か、標的もろとも消し炭にされかけた覚えがある。 「……一応、近寄らないようにしとくか。姫路にも言っとかねーと」 結局。 いくら考えたところで、この先どうするかという問に対する正答は浮かんでこなかった。 かなめとの約束を破りたくはないが、だからといってあんな状態の瑞希を蔑ろにすることはできない。 温泉行きは断念し、しばらくは瑞希のメンタルケアに努めるべきなのだろう。そう考える。 しかし、それは停滞だ。 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』による『黒い壁』の破壊もままならない現状、いつまでもこうしてはいられない。 インデックスや土御門たちのような魔術に詳しい人間の協力を得られれば、打開への道筋が切り開ける可能性もある。 目先のことばかりに気を取られている場合ではないのかもしれない。大局で捉えればそうに違いない。だが、 「放っておけねぇよなー、やっぱ」 なんだかんだで、上条当麻はここにいる。 屋上から校舎へ、瑞希を迎えに行こうとしている。 それがなによりの答えで、なによりの人間味。 上条当麻とはそういう男であり―― 「そろそろ十二時、かぁ」 ――放送が、近づく。 【E-2/学校・屋上/昼】 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 [状態]:全身に打撲(行動には支障なし) [装備]:御崎高校の体操服(男物)@灼眼のシャナ [道具]:デイパック、支給品一式(不明支給品0~1)、吉井明久の答案用紙数枚@バカとテストと召喚獣、 上条当麻の学校の制服(ドブ臭いにおいつき)@とある魔術の禁書目録 [思考・状況] 基本:このふざけた世界から全員で脱出する。殺しはしない。 1:姫路を迎えに校舎の中へ。温泉にも行きたいが、彼女を放ってはおけない。 2:温泉に向かう。かなめや先に温泉に向かったシャナ達とも合流したい。 3:インデックスを最優先に御坂と黒子を探す。土御門とステイルは後回し。 4:教会下の墓地をもう一度探索したい。 [備考] ※教会下の墓地に何かあると考えています。 【E-2/学校・校舎内/昼】 【姫路瑞希@バカとテストと召喚獣】 [状態]:左中指と薬指の爪剥離、失声症 [装備]:御崎高校の体操服(女物)@灼眼のシャナ、黒桐幹也の上着、ウサギの髪留め@バカとテストと召喚獣 (注:下着なし) [道具]:デイパック、血に染まったデイパック、基本支給品×2 ボイスレコーダー(記録媒体付属)@現実、七天七刀@とある魔術の禁書目録、ランダム支給品1~2個 [思考・状況] 基本:死にたくない。死んでほしくない。殺したくないのに。 0:明久くん……明久くんに会いたい……。 1:……やっぱり、温泉には行きたくない。 2:朝倉涼子に恐怖。 3:明久に会いたい。 投下順に読む 前:街角にて ― Alternative ― 次:第二回放送――(1日目正午) 時系列順に読む 前:街角にて ― Alternative ― 次:第二回放送――(1日目正午) 前:おそうじのじかん/ウサギとブルマと握られた拳 上条当麻 次:ラスト・エスコート2 前:おそうじのじかん/ウサギとブルマと握られた拳 姫路瑞希 次:ラスト・エスコート2
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―― 告 ―― これは、幻想郷の存亡に関る緊急の通告である。 結界の守り手の名において、八雲紫並びに博麗霊夢が全ての人妖に命ずる。 以下の者を確実に捕らえよ。右腕さえ残れば、生死は問わない。 数日前、この幻想郷に現れた外来人、“幻想殺し”を名乗る我らの天敵である。 その右手に触れし人間はたちまちに幻想の力を失い、人外の者はその存在すら霧散する。 能力の詳細は不明。幻想殺しの目的も不明。侵入したのか、迷い込んだのかも不明。 確かなのは、この者がその恐るべき右腕をもって博麗大結界に接触すれば、幻想郷は確実に崩壊すると言うことである。 繰り返す、この者を確実に捕らえよ。右腕さえ残れば、生死は問わない。 「畜生、一体何なんだこの場所は!!」 この俺、上条当麻は追われていた・・・不幸だ。 気付くと変な森の中にいて・・・更に気付けば⑨そうな氷の化け物に襲われていたのだ。 幸い俺は真正面にいたため、攻撃を外した隙を突いてイマジンブレイカーを叩き込んだが どうやらそれが仲間を刺激したらしく、こうして俺はあちこちから襲い掛かる化け物から逃げ続けている。 連中の話を聞く限りではどこかにある結界かをぶっ壊せば元の世界に戻れるようだ。 頭が悪そうなのは気にかかったが重要そうに話していたし、まあ間違いは無いだろう 「頭弱そうな奴ばかりなのが地獄に仏ってとこか」 ヒュッ 「生憎、仏はいませんが・・・メイドでもいかがでしょう?」 「ナイフ付だけどね」 背後の木に刺さる銀のナイフ。頬から一筋の血が流れる。 現れたのはメイド服を着た少女と、大きな本を持った少女。 見た目は随分と可憐だったが、明らかに雰囲気が違う。敵なのは確かみたいだ。 「あまり手荒なことはしたくないの。大人しくしてついて来てもらえるかしら?」 「お嬢様も妹様も吸血鬼ですから、身の安全は保障できませんけどね」 「でも、このまま夜になったら保障されるのはあなたの最期よ。強制的にね」 不幸だ。早くもボスキャラって奴に当たってしまったらしい。 「なあ、メイドさん。結界って奴を壊せば帰れるのか?」 「・・・どうやら、その右腕は宿泊料として頂いた方がいいみたいですね。 やれますね、パチュリー様?」 「触らなければどうということはないわ。咲夜こそ気をつけなさい。 一瞬でも能力を失ったら、私の図書館はおしまいなのよ」 ビンゴだ!やはり、結界とやらは実在するらしい。 だったら、そこまで行けば元の世界に帰れるかもしれない。 この場を切り抜ければの話だが。